好きな音楽にまみれた男の日常

雑文

23時30分。部屋には僕以外誰もいない。

 コンピューターの電源を落とし、引き出しからウィスキーの

ミニボトルを取り出す。紙コップに半分程注いだ。

窓の外は眠っている空港。会社に残っているのは僕一人だけ。

二口で呑み干し、机の上を片づけた。最終電車はもう出てしまった。

タクシーを呼ぶ。

 紙コップにウィスキーをいれて。会社の外に出た。

夜のヒンヤリとした空気と正反対に、胃の辺りが暖かくなってくる。

ビルの辺りを歩く人の気配はない。世の中から見捨てられたような気分に

なってくる。ポツンポツンと薄暗い街灯が、地面を照らしている。

影をつくっているのは僕以外何もない。高速道路を走る車の音が聴こえる。

1台だけ近づいてくる車が。近づいて、近づいて、止まった。

紙コップの残りを一気に飲み、タクシーに乗った、

右手には、握りつぶした紙コップ。ようやく一日が終わった。