2023年1月11日
23時30分。部屋には僕以外誰もいない。
コンピューターの電源を落とし、引き出しからウィスキーの
ミニボトルを取り出す。紙コップに半分程注いだ。
窓の外は眠っている空港。会社に残っているのは僕一人だけ。
二口で呑み干し、机の上を片づけた。最終電車はもう出てしまった。
タクシーを呼ぶ。
紙コップにウィスキーをいれて。会社の外に出た。
夜のヒンヤリとした空気と正反対に、胃の辺りが暖かくなってくる。
ビルの辺りを歩く人の気配はない。世の中から見捨てられたような気分に
なってくる。ポツンポツンと薄暗い街灯が、地面を照らしている。
影をつくっているのは僕以外何もない。高速道路を走る車の音が聴こえる。
1台だけ近づいてくる車が。近づいて、近づいて、止まった。
紙コップの残りを一気に飲み、タクシーに乗った、
右手には、握りつぶした紙コップ。ようやく一日が終わった。
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